2017/03/21

No Direction Home 〜Peru vol.6〜

2014年6月11日、南米Brazilからスタートし一旦は中断せざる負えなかったこの自転車放浪もCanadaから再びスタートしてはPeruのLima迄順調に進んでいた。

海外旅行保険の期限を踏まえてこの旅も残すところ3カ月位だろうな、と見据えていた最中に出逢ったHuariというかけがえのない仲間、いや家族を失ってしまい僕達は途方に暮れた。


どうして日本を出たのか。
どうして旅し始めたのか。
どうして自転車を漕ぎ始めたのか。
何がしたかったのか。
そしてこれから何がしたいのか、何が出来るのか。

途方に暮れながら自問自答した。

そして今、僕達はもう一度Ecuadorに行くことに決めた。

多くの方々に支えてもらったこの南米の地でやっていく方法を見つけ出す為に。








2017/03/14

ごめんなさいHuari 〜Peru vol.5〜

一緒に旅していた犬のHuariが車に轢かれて死んでしまった。
3/10、道の途中で自転車を留め休憩しようとした際に、Huariも少しカゴの外でのびのびさせようと自転車から降ろした。その直後に浜風がその辺に落ちていたビニールのゴミ袋を巻き上げてHuariはそれを追いかけて道路に飛び出してしまった。

一瞬の出来事だった。
例え一瞬でも、何も分からない幼き子から目を放してしまった僕達の責任だった。しかも車が勢い良く走っている道端で。

僕達が、殺してしまったのだと認識している。

Huariが僕達のテントに潜り込んできた日から最期の日まで僅か11日間だったというのに、彼女は僕達の旅の目的や、感情や目線といった全てを変える存在となっていた。旅が今迄で最も面白くなってきていた。
彼女に逢う為にここまでやって来たのかもしれない。
だから彼女を失った今、世界はまた変わって見えてしまう。

家族を持つことは人生の喜びも責任も増すんだ、ということを今更ながら気付かされた。
未だにそのことを分かっていなかった。

何て取り返しのつかないことをしてしまったのだろう。
もっともっと一緒に居たかった。
本当にごめんなさいHuari。















Cajamarca〜Lima 24日間1254kmの記録〈後〉〜Peru vol.4〜

アメニモマケズ
カゼニモマケズ

恐るべしPeruの山間部はえげつない急勾配に激しく曲がりくねった九十九折ばかり。
頂きから谷底まで落ちるように下って川に架かる橋を渡っては一気に1000mアップするような過酷なアップダウンが毎日のように僕達を試してくる。

それでも、少しずつでも
何があっても

自転車で前に進む
The Long and Winding Road


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2/27/2017 【Yanama→San Luis 44.27km】




土砂崩れで立往生する車を横目に自転車を押し進む。







2/28/2017 【San Luis→Huamantanga 47.39km】


膝の痛みが悪化して、もう漕げない…やるせなく座り込む。



目的地にはたどり着けなかったけれど、手前の集落で丁度良い雨避けを見つけて一泊出来るることに。夕食時に現れたガリガリの子犬は、テントのアウターとインナーの間で一晩暖を取っていた。







3/1/2017 【Huamantanga→Huari 11km】


昨夜の犬、あんな細こい足して走って付いてくるから運んじゃえ!!


連日続く、無数の尖った石コロで溢れたダート道に我慢も限界まで来ていたがパンクもしないまま無事にHuariに到着。
勘を頼りに地元の人達と交渉している内に、無料で部屋を貸してくれるという人に辿り着く。数日滞在&休養する予定だったのでこれは有難や。


部屋を提供してくれるという友達を紹介してくれたMoryさん。日本で4年間仕事をしていたという彼は僕達がこの街滞在中は毎日ごはんを奢ってくれた。




3/2〜3/2017 【Huariでひと休み】

しかしまたしても"ブレーキ問題"。Cachicadanに引き続き今回は後輪。ブレーキレバーを締めるとそのまま戻ってこないのでパーツを解体してみるとバネが真っ二つに割れてしまっていたという事でこれにはお手上げ。
ここからはこのまま内陸部を走り、Huancayoというそこそこ大きな街のどこかに自転車を預かってもらいバスに乗り首都Limaへ向かう(僕のパスポート延長申請の為)というつもりでいたものの、一刻も早く壊れたブレーキパーツを見つけるべく急遽直接Limaへ進路を取る様に予定変更。
首都迄の約500km(おそらく10日間程)、僕は片輪ブレーキのまま走行することに…。







3/4/2017 【Huari →温泉横 約42km※メーター故障の為、詳細不明】

Huariでは宿代も掛からず、美味しいもんもご馳走になってチョコっと公園で演奏。
Shizukaの膝もある程度回復したということでいざ出発!…あの子犬を自転車に乗せてね。
という訳で数日前から一緒だった子犬が「一緒に旅したい」ってお願いしてきている気がしたので、思い切ってShizukaの自転車の後ろに乗せて暫くの間進んでみたいと思います。
名前はHuariです。よろしく










この日はChavin de Huantarという村の外れにある温泉へ。


入浴中はしっかり外で待ってくれるなんてお利口なこと。





3/5/2017 【温泉横→Catac 約65km】








女の子でもガッつきますよっ






何とか今夜も雨は凌げましたな。





3/6/2017 【Catacを出発するはずが大工さんと1日過ごす】













3/7/2017 【Catac→ 約112km】


何だかもう、この子に夢中で自分達や周りのことなんかど〜でも良くなってきた。




箱が良い具合の高さになって首が乗るわ。




こんな愛くるしい存在が旅に付いてきてくれるなんて!!





3/8/2017 【→ Barranca 約70km】


最初はあんなに怯えていたのに、どんどん元気になっていくね。









3/9/2017 【Barrancay→El Paraiso 約58km】


今日も頑張ったね。









3/10/2017 【El Paraiso→Chancay 約57km】

昨日の野宿地を朝早く出発。まだ風は弱い。

少し走って時刻は8時52分。休憩しようと自転車を留めた。

ほんの一瞬だけ、カゴから道に下ろしたHuariから目を放した隙に彼女はいつの間にか道路を横切って対向車線側を歩いていた。

「マズい」と僕達は顔を見合わせ、反射的に彼女の名前を呼んだ。そして彼女も反射的に僕達の方を振り返っては二・三歩こちらへ近寄ってきた。

名前を呼ばなかったら、道路を渡り切っていたかどうかはわからない。

とにかくそれによってより道路の真ん中に位置してしまったHuariは次の瞬間、鈍い衝突音と共に車に轢かれその身体は吹っ飛び顔からは血を流していた。

Shizukaは咄嗟に彼女の名前を泣き叫び、僕は走って彼女を抱き上げたけれど、それしか出来なかった。

身体は左前足が折れている他は無傷で、主に頭部を強打したことで鼻と口からの流血は止まらなかった。
何が出来るかと色々な可能性を頭の中で駆け巡らせたけれど、結局は死んでいく彼女を見届けることしか出来なかった。

彼女を離したくなかったし、彼女から離れたくなかったけれどその場に座り込んだ僕達は何とか冷静に現実を受けとよめようと努力し、泣き咽びながらHuariの身体を衝突地点の横の砂浜に埋めた。

もっと一緒に居たかった。
彼女の身体を持ち帰りたかった。

とてつもなく大きな後悔の念に苛まれ始めていた。





3/11/2017 【Chancay→Lima 約57km】

Huariに出逢い、Huariを失ってLimaに到着することになった。























Cajamarca〜Lima 24日間1254kmの記録〈前〉〜Peru vol.3〜

アメニモマケズ
カゼニモマケズ

恐るべしPeruの山間部はえげつない急勾配に激しく曲がりくねった九十九折ばかり。
頂きから谷底まで落ちるように下って川に架かる橋を渡っては一気に1000mアップするような過酷なアップダウンが毎日のように僕達を試してくる。

それでも、少しずつでも
何があっても

自転車で前に進む
The Long and Winding Road


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2/13/2017 【Cajamarca→ 76.30km】


Los Baños del Incaの消防署から、実に11日振りのスタート!!


こんな感じに適当に止まって休憩したり


適当に野宿するのも久しぶり


感を取り戻すには、まだまだ時間が掛かるかな…。





2/14/2017 【→61.83km】


ガソスタで昼食を、と準備していたらジャガイモの差し入れ。


その後はCajabambaの路地にて久しぶりの演奏に


最近は旅で撮った写真を販売しているのだけれど、これが大好評!! 「日本語であなたの名前を書きます」とも言えば長蛇の列。





2/15/2017 【→46.63km】


出た〜。


近道だと信じていた道はそうではなかったと学んだ日…。





2/16/2017 【→Cachicadan 76.30km】


昨晩、雨の中何とか辿り着いた教会。


ふぅ〜、今日もスタートですか。


朝っぱらから2時間程掛けて上り切っては


ダート道に切り替えて目指すは温泉のある村へ!!





2/17/2017 【Cachicadanでひと休み】

温泉のあるこの村で、久しぶりの走行で患った筋肉痛をゆっくり癒そうと思っていたのも束の間、Shizukaの自転車前輪ブレーキ調整に一日を費やすことに。
問題はブレーキシューやケーブル交換とかそんな類では無く非常に深刻。フレーム、リム、ブレーキパッドにブレーキパーツの各々が歪んでしまってはどんなに工夫してみてもタイヤとブレーキが上手くハマらない。
一時は走行不可能と判断し、ここから自転車屋が簡単に見つかるであろう沿岸のtrujilloへのバス移動を決断した後も根気強く粘っては、最終的には僕のブレーキパーツ自体とそっくりそのまま交換調整して何とか明日の出発に間に合わせることに成功。

バスになんか乗りたくない。
何が何でも自転車で進みたいんだ!





2/18/2017 【Cachicadan→El Alto 54.58km】


重たい泥道だけれど


自転車で走れる喜び!!









2/19/2017 【El Alto→Pallasca 34.82km】


下に見える川迄降りて、あの山をグネグネ這っている道の上る。







2/20/2017 【Pallasca→Tauca 58.41km】


寝床を提供してくれたPallasca交番前で朝のコーヒータイム。











2/21/2017 【Tauca→117.90km】




昨晩、街に入る手前で声を掛けてくれてはベッドを貸してくれたJorgeさん。つくづくラッキーである。


標高を一気に4300mから700mまで一瞬で下げる圧巻の下り坂。








その後は谷底で崖と川に挟まれた怒涛のトンネルゾーンへ。まったくPeruの道は難関ばかり!!





2/22/2017 【→Caraz 66.25km】

この後のHuazcaran国立公園"横断"に備えて3日間休養。


2/24/2017 【Caraz→ Humacchuco 31.48km】







2/25/2017【Humacchuco→Laguna Llanganuco横 14.71km】


いよいよHuascaran国立公園へ







標高を4000mに上げ、到着後は交渉の末に小屋の空き部屋を借りられることに。これは明日の朝も早く出発出来るしデカい!!





2/26/2017【Laguna Llanganuco横→Yanama 51.12km】

標高4000mの湖付近から4713m迄上がるこのルートは、僕のたっての希望であった。Shizukaの事を想うとある種の賭けだったかもしれないが、彼女の意見も聞きながら立てた計画はここまで順調に進みこの日を迎えた。

しかし終わった今は達成感以上に、改めて色々と考えさせられる一日となった。

道は険しく、彼女に笑顔は無かったからだ。
事は僕の思い通りにはいかなかった。

2人は

Shizukaは自分の理想や将来像それに伴う難題に対して、どれほどの強靭な精神と肉体を持ってして挑めるのかを問われている。

僕は、そんな彼女をどこまでサポート出来るのかを問われている。

どこで何をしようが関係無い。
日はまた昇り、日々は積み重ねられていく。